最近大手メーカーがCMしている事もあり『クラフトビール』という言葉を耳にする機会が増えたと思います。
少し前まではその場所で飲めるご当地ビールのことを地ビールと呼んでいました。
・クラフトビールと地ビールって違うの?
・味は同じ?
今日はそんな疑問にお答えしようと思います。
地ビールとは
地ビールが日本に広まったのは1994年の酒税法の改正が始まりです。
1994(平成6)年4月、酒税法の改正により、ビールの製造免許をとるのに必要な最低製造量がそれまでの年間2,000KLから清酒と同じ60KLにまで引き下げられた。これにより、大手メーカーにしか許されていなかったビール製造が、各地の中小メーカーにも可能になり、日本全国で個性豊かな「地ビール」が誕生することになった。
キリンビールHP
当時は大手5社しかビール会社はありませんでした。
なぜかと言うとそれまでビールを作ろうと思うと
年間で2,000KL
のビールを製造しなければ免許がもらえなかったのです。
年間2,000KLというと
330mlの缶ビール600万個分
です。
想像を絶する数ですがこれだけの量を製造して販売できなければビール製造免許は取得できなかったのです。
それが一気に60KLまで落とされたわけですから新規参入企業が続々と増えました。
当時は清酒会社、食品会社、建設関連など様々な企業は地ビール製造に参入し、
200社近くまで増えました。
しかしそれまでビール製造のノウハウがなかった会社ばかりの為、美味しくないビールも多かったといいます。
地ビールはクセがあって美味しくないという風潮が広まり、地ビールブームが去ると多くの地ビール会社が倒産を余儀なくされました。
クラフトビールとは
地ビールブームの影響で多くのメーカーが倒産した中耐え残った企業もありました。
彼らは地道に技術を磨き、より美味しいビールを目指して日々研究を続けた結果
世界的コンクールで金賞を受賞するブルワリーも出てきました。
2000年代に突入してからアメリカのクラフトビールブームの流れも受けて、徐々に日本でクラフトビールという言葉が浸透していきます。
ご当地ビールというイメージは薄れ『職人が心を込めて作った高品質なビール』という良いイメージができあがりました。
ビールの香りや味を楽しむのはもちろん、作り手のこだわりやストーリーを楽しむ文化ができてきたのです。
2020年になるとその勢いは止まらず、300社近いブルワリーができています。
これが現在言われる『クラフトビール』です。
結局違いは?
地ビールとクラフトビールの違いを一言でいうと
地ビール→ご当地ビール
クラフトビール→職人のこだわりビール
です。
しかし特に製法が違うとか、ものが違うという意味でなく作っているビールは同じです。
作っているものは同じですがあり方が変わったのです。
最近では醸造技術も上がってきて、美味しくないビールを見つけることが難しいほどになってきました。
地ビールは美味しくないっと思っているそこのあなたっ!
是非クラフトビールを飲んでみて下さい♪